いろいろと樹種選びで悩まれた結果、ケヤキに行き着きました。

当初、お電話をいただいた時は、他店ですすめられたモンキーポッドで検討されてました。

ご希望のサイズ、ご予算をお伝えくださったのですが、正直かなり厳しい内容でした。

折角のお問い合わせを下さり、展示品処分も考えていかないといけないので、思い切って何点か候補を絞り出し、ご希望におこたえするのが難しいかなと思いながら、メールでいろいろとご提案させていただきました。何度かやり取りをメールでさせていただいた後、ご夫婦でご来店下さり、ご提案材をご覧いただき、その他の気になる展示品も含め、それぞれについてお部屋に配置したことをイメージしていただきました。

その結果、サイズは当初ご希望の長さ2100㎜だったのですが、2500㎜の極上杢のメープルを候補に挙げられ、未加工状態のものでしたので、鉋をかけて塗装した後にご判断いただくことになりました。ご来店前に、完成した時点で画像をお送りして、ご検討いただきました。

お約束の日、ご来店され、すでにお送りしていた画像で  あれこれとご検討をさせていて、長さを400~500㎜カットしないといけないのがもったいないということと、奥様が杢の出方で気になられるところがあったりで、決めきれず悩まれていました。ご主人様が視点を替えられ、 「このケヤキもいいと思うねん!」と。奥様もご納得です。(当初のご予算からはかなりUPでしたが…)「いろいろと木を見て来て、やっぱりケヤキがいいなと」とおっしゃるので「そうでしょ-‼」と私はにんまり。

先日お越しいただいた時にも、まさにこれぞ大自然!と思える大迫力のフォルム・力強い杢目に感動されていた一枚です。

熟考され、いろいろと樹種を悩まれた結果、「やっぱりケヤキ」となられたようです。

こんなケヤキに出会えるチャンスは滅多にありません。人々に間違いなく感動を与える一枚です。

 

さて、問題は搬入時のマンションのエレベーターです。大きくないのです。やはりどこかカットしなければお届けが出来ない。折角悩みに悩まれて決定していただいた一枚です。何とかしないといけません。

お客様が事前にEVのドアや天井高・奥行サイズ、玄関前のスペースなど搬入経路の寸法を調べて下さっていて、店頭で実物を見ながらの仕上げ加工の詳細なお打ち合わせがスムーズに進み、大変有難かったです。

かなりの重量でもあるので、少しでも余裕をもってカットすればいいのかもしれませんが、これぞ大自然の賜物というアートなフォルム。可能な限りぎりぎりの長さ・幅を残したい。わずかなカーブも、ここにある杢目も面白い、このでっぱりも魅力的!そして絶対に残すのは二股に分かれたところ‼大事にしたいですよね。そこはお客様も私も同じ思いです。

後日、原寸大型紙を製作し(厚みも大事です)、現地調査して、事前にお打ち合わせさせていただいたことを念頭に置いて、カット位置を決定。

 

二股に分かれたところは最重要ポイント

原寸大型紙を持って現地へ

 

 

明くる日、ケヤキの鉋かけをしてくれている床の間職人のぐっつぁんの工房に行き、カット位置の墨付けをし、ケヤキは硬く厚みもあるので、私ではなかなか難しいのでカットまでしてもらって、ATCのこちらの工房まで運び入れてもらって、節や虫穴などに木の皮や粉で穴埋めをして(できるだけ自然素材で穴埋めをします)、耳の手入れをして、面取り塗装前の仕上げ研磨をして、オスモオイルで2回塗装(厳密には展示時にも2回塗装をしていたのでその塗装もわずかに残っています)、最終、耳皮などに引っかかりがないか念入りに点検をしてようやく完成です。

木の皮や粉などで埋めるので不自然に感じません

割れ止めのチギリを入れます

僅かなササクレも逃しません  念入りに点検

木の皮や凸凹も削り過ぎず  そこが大切

 

梱包をする時は角を保護しながらも、分厚くなって搬入時に角が引っかからないよう最低限のクッションにしました。

いよいよ納品の日、問題のEVも玄関前の壁もギリギリで何とかクリア。

百戦錬磨の家具専門配送スタッフは、万一の場合、応援部隊を待って7階まで担ぎ上げすることも想定されていたようです。

頼りになります。感謝です。

無事に設置完了。

 

お客様も大変感動され喜んでいただけました。

ひと安心です。

 

アイアンのT字脚は、天板の幅に合わせて、幅550㎜と800㎜で1台ずつ違えて製作。高さは天板高さ700㎜仕上げとのご要望でしたので、天板厚みを引いて640㎜で製作しました。

 

 

納品事例画像→https://www.zero-kagu.com/works/5151/