新年を飾る。屋久杉一枚板

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて昨年末12/30にお届けしました屋久杉一枚板。
2050×1050×60㎜の堂々と風格ある屋久杉です。

お子さまのために”あそびMARE“に来られた帰りに、偶然当店に展示している屋久杉が目に留まり、そこからお話しが始まりました。
以前にご夫婦で屋久島へトレッキングに行かれたことがあり、その時の縄文杉との出会いが心深くに刻まれていて、屋久杉への想いを大切にされていました。それだけに当店での屋久杉との出会いは運命的なものを感じていただけたようです。

屋久杉には特別なオーラがあります。パワーがあります。人々に何かしら訴える力を秘めています。
加工前の粗木のままの姿でも、壁に立てかけてあると、店内に入られたお客様は屋久杉に吸い寄せられるように歩み寄り、腕を伸ばして手のひらをいっぱいにひろげて、手のひら全体を屋久杉にあてながら「うわぁ~屋久杉」と声をあげられます。何故だか皆さん同じように…(笑)

昨年の3月にご新居が完成。客間には掘りごたつがあり、すでに誂えられた天板裏全面にヒーターが取り付けられたこだわりのテーブルが設置されています。そのまだ一度も冬を迎えていないテーブルを、屋久杉の座卓と替えたいとの想いになられたご様子です。
掘りごたつに合わせるためにお宅へ採寸に伺いました。いろいろとお話をして行く中で、もしかしたら他にももっと気に入る屋久杉があるかも知れないとのことで、ご納得いただくために銘木市場へお連れして、他の屋久杉もご覧いただくことになりました。

 

 

 

運命の出会いの一枚です!

割れや虫穴がありますが、それよりも、私たちが到底思い測ることはできませんが、幅が1100㎜もある入り組んだ細かい杢目が、この屋久杉を育んだ悠久の時、どんな過酷な環境の中で、どんな歴史を作って来たのか想像を駆り立てられます。こんな屋久杉は今では大変貴重になりました。

後日、この一枚で決めました!とお客様からご連絡いただきました。

加工の開始です。
予想はしていましたが、やはり屋久杉の手入れには、通常の加工より何倍も日数がかかります。

穴を埋めて、割れには裏からだけ深くチギリをいれて、補強をして、腐りを取り除いて、表面、裏面と磨き込んで、耳を丸くなり過ぎないよう、味わい深く仕上がるように本来の姿を削り過ぎずササクレをすべて取り滑らかに、何度も何度も手で触っては磨いてを繰り返して、ZERO工房らしい仕上げにこだわります。

【耳の仕上げ】 

 

脚は、屋久杉の丸太にして欲しいとのご要望です。
銘木屋さんに方々にあたってもらい、やっと見つけた1本。たった1本だけあった丸太が長さも太さもぴったし。やっぱり運命です。

 

 

でも…えっ?!割れ止めがビッシリ。
これしかないんだから、これをどうにかしないと。どうやってとる??
「銘木屋さんへ、磨き切った丸太の割れ止めの除去方法皆さんどうされていますか?」

右がビフォー、左がアフター(写真右)。
1本に5時間、4本で合計20時間かけて綺麗になりました。
やっと頼りになる匠の天満さんに脚の加工をお願いすることができます。

 

丸太の芯出しをして、横桟を蟻ホゾ大入れで組み込みます。
丸太の芯が掘りごたつの四隅にきちんとはまりました。さすが天満さん!
丸太が内側にはみ出した部分には隅木を入れています。

天板の大きさも掘りごたつに丁度ぴったりです。
やはり運命の出会いです。

屋久杉と鍋島段通。

質感が漂います。
重みを感じます。

お客様は、お正月には親戚に自慢が出来ます!!とご満足のご様子でした。
年末もぎりぎりまでお待たせして申し訳ございませんでした。