美しい杢のブビンガ一枚板

ダイニングテーブルにする杢目の綺麗なブビンガ2400前後×1000mmの一枚板を探してほしいとお電話をいただいた京都のお客様。
大阪はもちろん滋賀、兵庫に探しに行き、三重や岐阜にも銘木屋さんにあたってもらって、ようやく見つけた3mの総縮み杢の両耳がほぼ真っ直ぐ整った一枚。

粗木の状態でも杢の綺麗さが想像できます。
こんなに綺麗な杢の出ているブビンガ、今では大変貴重になりました。それもサイズがピッタリ。

縦反りが12㎜あります。お客様のご要望をお伺いし、反りを矯正することにします。
長さ2500㎜と460㎜にカットして、高周波プレスにかけ、ぐっつぁんに平面を出して鉋をかけてもらって、59㎜あった厚みは56㎜に仕上がりました。上々です。

大型材はホイスト(持ち上げ移動機?)のあるぐっつぁんの工房での作業になります。
私も加工に通って最終チェックをして塗装に入ります。

ダイニングもサイドテーブルも、セラウッド塗装です。
従来のウレタン塗装より汚れ・熱に強く・耐久性のある最近一枚板屋さんでよく使われている塗装です。ZERO工房では9割以上の方が塗膜を作らないオイル仕上げを希望されるので、初めてのセラウッド塗装です。私は経験がないので、塗装もぐっつぁんにお願いです。

見事な縮み杢が浮かび上がります。綺麗~。
この大きさでも鉋がかかっているのでさらに杢が綺麗に浮かび上がります。
ZERO工房ならではの仕上げです!ぐっつぁんご苦労様。

これならお客様もご満足いただけるはず。

脚は、お客様はアクリルの脚をご希望です。
比重から天板の重量が150㎏近くなる予想で、それに耐えるアクリル版の種類、厚み、接着方法をアクリル職人と打ち合わせをして製作します。
完成した脚は、透明感があり接着部分も綺麗に仕上がり、天板が浮かんで見えて、際立ちます。

天板を2500㎜でカットした残り460㎜の板は、ソファの横に置くサイドテーブルにします。スチールでソファのシート部分にかかるタイプの脚をご希望です。
鉄工所の職人庄ちゃんと、25㎏の天板をコの字で受けるために、角パイプのサイズ、パイプの配置を打合せします。

お客様との打ち合わせは、すべて電話とメールです。
お話しをお伺いしているうちに、サイドテーブルはソファと壁の290㎜の隙間に入れられることが判明。天板は460㎜×1030㎜。ソファの脚の位置をアクタスさんへ確認していただいて、製作にかかります。
天板裏を掘りパイプを埋め込み天板裏からパイプが飛び出ないようにします。左の写真よりまだパイプ1本分さらに掘ったので、天板は3㎏のダイエットに成功!

ソファの脚とは干渉せず、テーブルを移動させることが出来ます。ピッタリ嵌りました。

運搬現場搬入は、いつものイッシーが都合つかず、重量があるので家具専門の運送会社にお願いすることになりました。
有名な家具屋さんがよく使っている運送会社で、私が家具専門店に勤めていた時にも入ってもらっていたところです。もう数十年前のことですが、そのころに担当してもらっていた方が引取りに来てくださいました。遠い懐かしい記憶がよみがえります。

今回、お客様とはメールとお電話での打ち合わせだけで、ブビンガの一枚板も写真をご覧になられただけでのご注文でしたので、私はお届けまで、かなり緊張していました。ですが、お客様は、間違いないと信用して下さり、完成を心待ちにして下さいました。
お届けしたテーブルをご覧になられて、ご夫婦ともに大変ご満足いただけたご様子で、何よりほっとさせていただきました。

ありがとうございます。

今回に限らず、いつもそうなんですが、今回もいろんな道の職人がいて、どの職人もこれまでの豊富な経験と知識を合わせて最善の方法で、一生懸命に加工にあたってくれました。本当に、感謝です!!