欅(けやき)の天板

大阪で貴金属店を経営されているお客様。
これまでコレクションされてきた、洗練されたアンティークの品々を飾られているギャラリーにお納めさせていただきました。

見事な杢目とフォルムの欅材の天板。
ポプラの切り株とお客様のご要望で製作した3本の100㎜角パイプのスチール脚。
スポットライトに照らされて、きらきらと輝いています。

欅の天板

店内に粗木のままで展示していたのですが、磨けば素晴らしい杢目が絶対に出る材だったので、多くのお客様にご覧いただきたくて、四苦八苦する覚悟を決めて鉋かけに取り掛かることにしました。

はじめは、電気鉋で表面をある程度まで整えてから、手鉋で仕上げていくはずだったのですが、調子が乗ってきたかと思った瞬間、電気鉋のコードをやってしまった。。。最悪。
同級生の機械屋さん上岡君に修理をお願いしたところで時間がかかるし、手鉋をひたすらかけてもかかる時間は同じかなぁ。でも材はケヤキ。堅いしこの杢やし、と途方にくれていたけど、自力でやるしかない。

気合を入れて鉋かけに取り掛かっているところに、いつも鉋かけやあれこれ助っ人をお願いしている気難しい”ぐっつぁん”が登場。

「この目に鉋かけるんはやめといた方がええで。すぐあちこち逆目起こすん目に見えてる。ドツボにどんどん嵌って行くだけやで。悪いこと言わんからやめとき。しかもまだ手鉋かける状態までいってないやん。それに言っちゃ悪いけど この鉋やろ?ケヤキやからすぐ刃がこぼれて、何回も砥がなあかんやろ(確かに。木工塾で購入したそんな上等じゃない鉋しか持っていない)」

と散々言われて、はいはいとその場は頷いてたけど、そこまで言われても自分でやってみたいと思ったからにはやる!!ぐっつぁんが帰ったあと再開。

デモ、その後、強敵ケヤキと格闘している時に、ぐっつぁんの言葉が耳の中で響いて、ぐっつぁんにお願いしようかなと気持ちの揺らぐことが何度あったことか。

ひたすら砥いではかけ、砥いではかけ、かけ続けて一週間(お店の業務をしながらですが)

 

サンダーをかけて、さあオイルをかけます。
この瞬間の感動を味わうために、頑張りました。
毎回毎回、あらゆる材のこの瞬間が、たまらないのです。
特に今回は期待が大なのです。

見事に浮かび上がった素晴らしい杢目。
感動です!!

でも、私の腰が…悲鳴をあげています。
年齢と体力を考えて作業をしないとね。